1999年に発売されたトヨタ・ヴィッツは、日本のコンパクトカーの存在をアピールしその市場に多大なる影響を示した車です。これを元に次々と対抗車・ホンダフィットや日産マーチが生まれてきました。まさに日本の小型車のイメージを変えた高品質の車なのです。
昨今、トヨタのハイブリッド車である「アクア」にコンパクトカーの称号を譲ってしまい、存在感が無くなってしまいました。そんなトヨタのヴィッツがハイブリッド(HV)を搭載してビッグマイナーチェンジ。フルモデルチェンジの噂が出ていますが、その前に一度トヨタはヴィッツをてこ入れしてみようと考えているようです。
では、トヨタ・ヴィッツのビックマイナーチェンジと発売日・特徴・燃費・価格・評判、アクアとのすみ分け考察も含めてお話したいと思います。
トヨタ・ヴィッツの歴史
初代 SCP/NCP1#型(1999年 – 2005年)
3ドア(欧州仕様・前期型)
5ドア(後期型)2001年12月 – 2005年2月
RS(前期型)
RS(後期型)
コンパクトで丸っとした形のヴィッツですね。小回りがきいて狭い道でもすいすいと走っていきそうです。
1.0Lと1.3L・1.5L直4 DOHCと1.4L 直4 SOHCディーゼルターボ(欧州仕様)があります。トランスミッションはCVT・4速AT・ 5速MTで、バリエーションがいっぱいあります。
スポーツグレードRSを追加。走り屋さんにも対応しています。ちなみに欧州仕様の名前はヤリスといいます。
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2代目 KSP/SCP/NCP9#型(2005年 – 2010年)
5ドア(前期型)2005年2月 – 2007年8月
5ドア(後期型)2007年8月 – 2010年12月
ちょっと、日産マーチの形に似ています。二代目は1.8L 直4 DOHC(欧州仕様)・1.4LSOHC ディーゼル ターボ(欧州仕様)を追加しています。段々と欧州へ力を入れているのがわかりますね。
3代目 KSP/NSP/NCP13#/NSP15#型(XP130型:2010年-、XP150型:2013年-)
前期型 5ドア 1.3 FSMART STOP パッケージ2010年12月 – 2014年4月
後期型 5ドア 1.3F 2014年4月 –
前期型 1.5RS
後期型 RS
後期型 RS “G’s”
三代目からは、ちょっと大人びたデザインでとても高級感が漂っています。日本仕様・北米仕様・欧州仕様・アジア仕様と全世界を基準に展開していきます。
RSの派生車でスポーツコンバージョン車「G’s」があります。RSもよりスポーティな顔立ちになっていますね。RSをベースにした車で、MT仕様です。
ビックマイナーチェンジのヴィッツの発売日
現行車のヴィッツが作られたのが、2010年からですので、今現在2017年で7年の月日が流れています。
本来ならフルモデルチェンジをしてもいいはずだったのですが、他車(特にアクア)とのバランスを考えながらとりあえず2017年中には体制を整えて販売する方向で考えてはいたようです。が、かなり遅れているようですね。
2017年1月12日、ビッグマイナーチェンジを行い、ハイブリッドを追加しています。その後大幅なフルモデルチェンジは2018年以降ということで話になりそうですね。
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新型ヴィッツの特徴(ハイブリッド)
プラットフォーム
ヴィッツのビックマイナーチェンジでのプラットフォームの変更はないようです。プラットフォームは、車の屋台骨です。これを変更ともなりますとフルモデルチェンジってことになります。
ちなみにフルモデルチェンジのプラットフォーム予想はTNGA(Toyota New Global Architecture)の採用ですね。新しく開発されたコンパクトー車用TNGA-Bプラットフォームが使われる予定です。
ボデイ―サイズ
ボディサイズ | ヴィッツ(ハイブリッドとガソリン) |
全長 | 3945 |
全幅 | 1695 |
全高 | 1500~1530 |
ホイールベース | 2510 |
*単位はmmです。
マイナーチェンジ後のボディーサイズ表です。全長が4000mmと近くなっていますので、かなり大きくなっています。ハイブリットでは排気量が1.5Lですので、それに合わせた感じですね。またガソリン車は1.3L・1.0Lで、若干ボディーが前車の室内と比べて広く大きくなりました。
エンジン
ヴィッツ(ハイブリッドとガソリン) | RS(現行車) | |
パワートレイン | 直3気筒(ガソリンのみ) /1.3L・1.0L 直4気筒(ガソリンもあり)+ /1.5L | 直4気筒 |
最高出力 | H:54[74] /4800 NA:51-73[69-99] /6000 | 80(109)/6000 |
最大トルク | H:111[11.3] /3600-4400 NA:92-121[9.4-12.3] /4300-4400 | 136~138(13.9~14.1)4400~4800 |
排気量 | H:1.5L NA:1.3L 1.0L
| 1.5Lのみ |
トランスミッシ ョン | H:電気式無段変速機 NA:自動無段変速機[Super CVT-i] | super CVT-i+5速MT |
駆動方式 | 2WD・4WD | 2WDのみ |
*出力単位:kW(PS)/r.p.m
*トルク単位:N・m(kgf/m)/r.p.m
2017年1月12日、1.5L直列4気筒DOHC+電気モーターでハイブリッドを搭載しました。このおかげでヴィッツ・RSは、販売終了になりました。結構味のあるスポーティタイプの車だったんですがね。
燃費について(アクアとの比較)
ハイブリッド:1.5L 34.4km/L 2WD
ガソリン:1.3L 25.0km/L 2WD 18.0KM/L 4WD
1.0L 21.6-24.0km/L 2WD
ハイブリッドのみ:34.4-38.0km/L
ヴィッツビッグマイナーチェンジではハイブリッドを追加し燃費は34.4km/L、現行車アクアの燃費は34.4~38.0km/L(JC08)で、比較してみますと同じとなっています。
燃費が同じ数字になることは大変珍しく、燃費以外での比較、例えば車体のデザインなど比較しながら車を選ぶことになりますね。やはり購入予定者の車のセンスが問われそうです。
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ボディーカラー
スーパーホワイトⅡ
ホワイトパールクリスタルシャイン
シルバーメタリック
グレーメタリック
ブラックマイカ
スーパーレッドV
チェリーパールクリスタルジャパン
オレンジメタリック
アバンギャルドブロンズメタリック
ルミナスイエロー
ブルーメタリック
クリアブルークリスタルシャイン
出典 トヨタ公式 ヴィッツ ボディー色
GRカラー
スーパーホワイトⅡ
ホワイトパールクリスタルシャイン
シルバーメタリック
グレーメタリック
ブラックマイカ
スーパーレッドV
ルミナスイエロー
ブルーメタリック
出典 トヨタ公式 ヴィッツ・GRカラー
ビッグマイナーチェンジ後のボディー色です。全17種類があり、特にJewela用カラーがステキで、私もオリーブ系やジェイド系などのグリーン系が好きなんですよ。
他車のボディー色でのグリーン系は、あまり見たことがありませんが、軽のスズキ・ハスラーでは、クールカーキパールメタリックくらいです。ほんとシブいグリーン系が見当たらないですが、ヴィッツ・Jewelaでは、2種類ありますのでけっこう人気なのではないでしょうか。
GRカラーとは、G’sシリーズが廃版になりましたので、新しく若者向けのスポーツモデルブランドとしてGRシリーズを立ち上げたトヨタブランドです。他にもプリウスPHV/マークX/ハリアー/ノア/ヴォクシー、小型車代表でヴィッツがGR SPORTの冠をもらっています。
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装備について
ブラック:ハイグレードファブリック
バレルブラウン:ハイグレードファブリック
ブラック:ファブリック
アイボリー:ファブリック
ブラック:Jewela用ファブリック
マルサラ:かなしファブリック
マイナーチェンジ後の内装です。おしゃれな内装でとても使いやすく作られています。ちょっと都会的な雰囲気ですね。
特にマルサラの色がとても印象的で、どんな色かといいますとワインレッドに茶色みかかった色です。シチリア島で生まれた伝統的なワインの名前でもあります。だから、どことなく品のある色だったので、かっこいいなと思いました。ただ、Jewela用のみなので、標準車のヴィッツでもマルサラ色を入れてほしかったですね。
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フロントマスクがかなり大きく主張しています。それ以外のたとえば、ヘッドランプ系統も変化はないと思います。ちょって寂しい気がしますが、ビックマイナーチェンジなのでしかたがありません。フルモデルチェンジまで待ってみるのもいいかもしれませんね。
安全性能
自動ブレーキ(プリクラッシュセーフティシステム)
車線はみ出しアラート(レーンディパーチャーアラート)
自動ハイビーム(オートマチックハイビーム)
出典:YouTube トヨタ公式・【シエンタ】安全機能解説(Toyota Safety Sense C)
ビックマイナーチェンジはしましたが、安全性能のトヨタセーフティーセンス Cは据え置活きでした。今度行われるであろうフルモデルチェンジのときは、トヨタセーフティーセンス CではなくPを搭載するかもしれません。
ちなみに、ヴィッツはセーフティ・サポートカーの認定を受けていますが、サポカーはあくまでもどんな安全性能がついているかをわかりやすくしたものです。サポカーは、おもに自動ブレーキが主で、サポカーSは、自動ブレーキにプラス踏み間違い事故防止など高齢者の運転に優しい機能を搭載した車となっています。
ヴィッツのターゲットは、どちらかといいますと若者向きに作られた車なので、サポカー認定となります。
ヴィッツの価格
ビッグマイナーチェンジ後の価格は、ハイブリッドでは181万円~208万円-。ガソリン車では、118万円-。ハイブリッドJewelaでは、198万円-で、ガソリンJewelaでは、147万円–となっています。
あとは、GRSPORTガソリンでは、208万円-230万円-で、ハイブリッドGRでは、232万円-からとなっています。やはり、少し価格が高く感じますが、安全性能やハイブリッドも搭載していますので、しかたがないかと思います。安く乗りたいのであれば、やはりガソリン仕様の118万円ーからとなります。
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ヴィッツのライバル車
日産マーチ
出典:ビジョン自動車
2017年の春ごろに、日本仕様の新型日産マーチが出ますと予測しましたが、今のところ出てきてないようです。上の画像は、2016年9月29日、パリモーターショーで新型マーチのワールドプレミアでお披露目となった欧州仕様の新型マーチで、名前をマイクラ Gen5といいます。
今、日産では、2017年9月末に大規模なリコールが発生し、そのおかげで一部の生産が止まっています。新型マーチを生産している場合ではありませんので、日産ブラントがどうなるかですね。
日産マーチ新型(マイクラ)フルモデルチェンジ情報!発売日や価格、ライバル車比較!
ホンダ・フィット
2017年6月30日、ホンダ・フィットもビックマイナーチェンジしました。内容は、「ホンダセンシング」という最新の運転支援システムが採用されました。今では安全性能向上は、当たり前の時代になりましたね。
フィット新型(ホンダ)マイナーチェンジで燃費と不具合は?価格・発売日は?
トヨタ・アクア(すみわけ考察含む)
出典:トヨタ公式 アクア
2017年にフルモデルチェンジをするようでしたが、どうやらまだで、2018年になるようです。セーフティセンスPの搭載と決まっているみたいですね。ですから、さらにヴィッツのフルモデルチェンジは、先になる感じがします。
しかも、アクアはトヨタの中で稼ぎかしらですから、優先的にアクアを作ります。どうしてもヴィッツが後回しになることは、仕方がないです。ヴィッツの出方次第では今後、アクアとの差別化がうまくいかせないとアクアに吸収される可能性もあります。最大のライバルは、身内にありですね。
新型アクア(トヨタ)の燃費、価格や発売日は?プリウス比較と評判は?
ヴィッツの評判
5MTのヴィッツで20km/L超えるし、ハイブリッドカーとは何なのか。わざわざバッテリーとモーター積んで重くするよりも運転を改善する方が効果的かつ手っ取り早いのではないか。
— khu (@khu) October 26, 2016
370馬力のヴィッツってなんだよwww外人頭おかしすぎるわwww pic.twitter.com/yrl8wJPSHP
— マジ吉@ (@gdb00064) October 25, 2016
レンタカーで借りたことでトヨタ・ヴィッツの試乗ができた。見た目は色気ないけど実用性は高い。田舎道をのんびり走るには困らない。意外とエンジンも十分なパワーだし。独り暮しや少人数家族ならこの位のサイズが扱い易くていいかもね。田舎は意外と山道や農道をただ舗装しただけの狭い道多いし。
— Shimadaけんさく (@Quensax) September 9, 2017
まとめ
ビックマイナーチェンジのヴィッツは、どうでしたか?
主なところでは、ハイブリッド搭載が目玉です。他にも燃費もしっかりと出していますし、価格もいい値段です。
ハイブリッド搭載しましたので、アクアとの差別化をどのくらいできるか?ですね。ヴィッツの価値をどのくらい高められるか。どうも、トヨタの車を見ますと車種の共食いをしている様で、ひやひやします。
ヴィッツのデザインは、かわいらしいので私としては生き残ってほしい車です。