2017年1月10日にデトロイドモーターショー(北米国際自動車ショー)が行われました。そこでトヨタ新型カムリフルモデルチェンジのお披露目を世界に向けてしました。特に海外では人気が高く、なんでも盗難される率が一番高いそうです。軽量で作りがしっかりとして重心が低く、運転しやすいトヨタ・カムリです。
では、新型トヨタ・カムリの特徴や日本での発売日、ハイブリッドで燃費や価格・装備・評判・ライバル車など、今わかっている情報をもとにお伝えしたいと思います。
トヨタ・カムリの歴史
初代 A40/50型(1980年 – 1982年)
A40/50型
元々は、セリカのセダンで生まれて、正式名「セリカ・カムリ」となります。カムリ自体の初代ではなく、あくまでも2代目セリカと2代目カリーナの末っ子です。不人気だったのか、2年で販売が終わります。
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2代目 V10型(1982年 – 1986年)
セダン(前期型)
2代目のカムリです。2代目よりセリカの名前がとれて、カムリ1本となります。これにより、カムリというブラントの初代が正式に決まったと言えます。
海外へも輸出されてとりわけ、米国には大人気だったようです。排気量も2.0Lで小回りは効きますし、何よりも面長なスタイルで室内は品のあるつくりになっていますから、外国の方には当然受けますよね。また、ディーゼルターボ車が追加されています。
3代目 V20型(1986年 – 1990年)
セダン(前期型)
3代目のカムリです。当時の上級車マークⅡのようなラインですね。クレスタにも似ている感じがあります。これにステーションワゴンが設定されます。
4代目 V30型(1990年 – 1994年)
前期型(1990年-1992年)
4代目のカムリです。日本専用の車になります。海外仕様は、3ナンバーと大きくなります。角ばったラインはなりを潜めて、なだらかな形にデザインが仕上がってますね。
5代目 V40型(1994年 – 1998年)
前期型
後期型 日本仕様
5代目のカムリです。どこにでもある普通の車に見えますが、このシンプルさがカムリのいいところです。排気量はガソリンエンジンが、1.8Lと2.0L、ディーゼルターボエンジンは2.2L。
6代目 XV20型(1996年 – 2001年)
グラシアセダン
後期型
6代目のカムリです。海外仕様は大きさが違うということでXV20型変更。日本仕様のエンジンはそのままV40型へ。実質6代目はこの海外仕様ととなります。V6エンジン搭載車のグレード名「プロミネント」の名前をカムリ・グラシアの名前で変更し登場させたがその後のマイナーチェンジでグラシアの名前がなくなります。
7代目(6代目) XV30型(2001年 – 2006年)
日本仕様・後期型(2004年7月-2006年1月)
7代目のカムリです。日本仕様ではV6エンジン廃止。直列4気筒2.4Lのみとなります。このころから、また海外生産の幅が広がります。「フィリピン・マレーシア・インドネシア・台湾」などで行われるようになりました。
8代目 XV40型(2006年 – 2011年 )
前期型
後期型
8代目にカムリです。日本仕様2.4Lと北米仕様2.5Lと3.5Lとなりハイブリッド搭載車が登場。2007年4月には北米スバルの工場ラインを借りて北米向け生産を開始。同じ12月には、ロシアでも工場を立ち上げで生産開始。2009年には韓国トヨタでもカムリを販売と世界展開が頻繁に行われました。
9代目 XV50型(2011年 – 2017年)
前期型
後期型 ハイブリッド”Gパッケージ”
9代目のカムリです。8代目と違ってフロント部分が重厚な趣となっています。これは北米用でデザイン的にアピールするための車を作りました。
日本での人気はデザイン的には、あまり評価をされていません。ここで日本専用のハイブリッド車THS-IIを搭載し、中身で勝負する形をとりました。マイナーチェンジを繰り返しながら、2017年にトヨタ・カムリ10代目へ移行していきます。
トヨタ新型カムリの発売日
出典 オートックワン トヨタの挑戦!新型カムリが初の“フルTNGA”モデルだ!保守的クルマから脱却へ
2017年1月9日、アメリカ・デトロイト北米国際自動車ショーでお披露目された新型カムリで、一段とスポーティな感じのデザインとなっています。北米仕様として発表された車です。
日本での発売は、2017年7月10日から販売を始めました。契約済でも売れ行きがよければ、納期が遅れるようですね。2017年末になる話もあります。
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トヨタ新型カムリの特徴
プラットフォーム
トヨタ新型カムリのプラットフォームは、あのTNGA(Toyota New Global Architecture)仕様となります。トヨタの車に対する理念を明確化したものです。
運転する人や乗り降りなどの機能性の充実、車の運転のしやすさ乗り心地、車の低重心化によるコスト削減な柔軟な対応ができて総合的な視点から車を作ります。その元になるのがTNGAで、名前はGA-Kプラットフォームでカムリ専用となります。
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エンジン
エンジン | T・カムリ/2.5L | T・SAI/2.4L | アテンザセダン/2.0L・2.2L | H・アコードハイブリッド/2.0L |
パワーユニット | 直列4気筒DOHC +モーター | 冷直列4気筒DOHC+モーター | 冷直列4気筒DOHC16バルブ(直噴ターボ) | 直4気筒横置+モーター |
最高出力 | 118→131 [160→178]/ | 110[150]/ 6000 | G:114~138[155~188]/ 6000 D:129[175]/ 4500 | 107[145]/ 6200 |
最大トルク | 213→221 [21.7→22.5]/ | 187[19.1]/ 4400 | G:196~250[20.0~25.5]/ 4000 | 175[17.8]/ 4000 |
最高出力(モーター用) | 105→88 [143→120]/不明 | 105[143]/不明 | なし | 135[184]/ 5000-6000 |
最大トルク(モーター用) | 270→202 [27.5→20.6]/不明 | 270[27.5]/不明 | なし | 315[32.1]/ 0-2000 |
トランスミッション | 電気式 無段変速機 新型トランスミッション“Direct Shift-8AT” | 電気式 無段変速機 | 6EC-AT /6MT | エレクトリックギアセレクター(ボタン式) |
駆動方式 | 2WD | 2WD | 2WD/4WD | 2WD |
電池 | リチウムイオン | ニッケル水素 | なし | リチウムイオン |
*最高出力単位:kW[PS]/rpm
*最大トルク単位:N・m[kgf・m]/rpm
*最高出力(モーター用)単位:kW[PS]/rpm
*最大トルク(モーター用)単位:N・m[kgf・m]/rpm
Direct Shift-8AT
新型フルモデルチェンジをしたエンジン比較表です。今回の新型トヨタカムリのエンジンは、2.5Lの直列4気筒とハイブリッドです。ほかにも2.0Lのダウンサイジングターボ搭載予定という話でしたが、見送られました。
ハイブリッドシステムはTHSⅡを搭載、新設計の「Dynamic Force Engine」と組み合わせで、走りと燃費向上が実現できました。モーターの出力とトルクの数字が下がっていますね。おそらくエンジンの性能が高くなったぶん、モーターの力を借りなくても走りがいい、燃費がいいということでモーターの数字を抑えられてると思われます。
またトランスミッションでは、新型の“Direct Shift-8AT”を採用。新エンジンとともに燃費向上へ一役かっていますね。
ボディーサイズ
ボディーサイズ | T・カムリ/ 2.5Lハイブリッド | T・SAI/ 2.4L | M・アテンザセダン/ 2.0L・2.2L | H・アコードハイブリッド/ 2.0L |
全長 | 4850→4885 | 4695 | 4865 | 4945 |
全幅 | 1825→1840 | 1770 | 1840 | 1850 |
全高 | 1470→1445 | 1485 | 1450 | 1465 |
ホイールベース | 2775→2825 | 2700 | 2830 | 2775 |
室内長 | 2080→2030 | 2040 | 1960 | 2050 |
室内幅 | 1525→1535 | 1505 | 1550 | 1595 |
室内高 | 1210→1185 | 1210 | 1170 | 1195 |
重量 | 1540~1550→1600 | 1570~1590 | 1450~1610 | 1580~1600 |
単位:mm/kg
新型フルモデルチェンジ後のボディーサイズ比較表です。旧サイズと比較しますと若干大きくなっていますね。ただ、やや流線型になったデザインの影響もあり、全高は低くなっています。
燃費(ハイブリッド進化?!)
燃費 | 2WD | 4WD |
T・カムリ/2.5L ハイブリッド | H:23.4→ 28.4~33.4 | なし |
T・SAI/2.4L | H:22.4 | なし |
M・アテンザセダン/2.0L・2.2L | G:16.0~17.4 D:19.6~22.4 | D:18.2~20.4 |
H・アコードハイブリッド/2.0L | H:30.0~31.6 | なし |
*単位:JC08モード・km/L
新型フルモデルチェンジ後の各燃費比較表です。実は、カムリハイブリッドの後輪にもモーターをつけると推測をしました。なぜなら燃費向上には、モーターを増やすことが不可欠と思ったからです。
例えば、トヨタ・プリウス1.8Lはフロントとリアの二か所で電池を載せています。そのため、カムリも燃費向上のため電池を増やすと思ったのですが、実際に新しくなったカムリのHPを見てみますとモーターの数字がひとつしか載ってはいませんでした。
新型フルモデルチェンジではエンジンが新しくなっています。ということは、一応ハイブリッドとはいえ、エンジンの性能が上がったことで燃費JC08モード・28.4~33.4km/Lが向上していることになります。
電池はフロント一か所のみ搭載しています。ハイブリッドを意識しつつもエンジン性能をあげることにうまく対応ができたんだと思いますね。
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ボディー色
プラチナホワイトパールマイカ(MO:32,400円)
シルバーメタリック
アティチュードブラックマイカ
エモーショナルレッド
スティールブロンドメタリック
グラファイトメタリック
ダークブルーマイカメタリック
新型フルモデルチェンジのボディー色です。新色は、スティールブロンドメタリックとグラファイトメタリックですね。廃版も3色ありますね。全体的落ち着いた雰囲気の大人の色使いに変わっています。
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装備
デトロイドモーターショー
出典 オートックワン トヨタの挑戦!新型カムリが初の“フルTNGA”モデルだ!保守的クルマから脱却へ
日本仕様
シート色
ブラックXタイガーアイ調 | 本革シート *一部人工皮革 ファブリック(布ような質感) |
ベージュXタイガーアイ調 | 本革シート *一部人工皮革 |
ブラックX寄木調 | ファブリック(布ような質感) |
下が新型フルモデルチェンジの内装で上がデトロイドモーターショー(北米国際自動車ショー)で公開された画像です。北米仕様なのでハンドルは左ですね。日本仕様はもちろん右です。
日本仕様でのシート色は、黒か茶色あたりではないではないかと予測したところ見事あたってました。さすがにシートの赤はないですね。日本仕様の方がしっとりと大人の雰囲気があり落ち着きがあります。
あとは、マルチインフォメーションディスプレイ (7.0インチTFTカラー)計器類を充実させています。
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出典 オートックワン トヨタの挑戦!新型カムリが初の“フルTNGA”モデルだ!保守的クルマから脱却へ
出典 トヨタ公式 カムリ 外観
下が日本仕様の新型フルモデルチェンジのものです。上がデトロイドモーターショー(北米国際自動車ショー)ですね。リアがきゅっと上がっています。フロントマスクは、トヨタのシンボルの「キーンルック」です。
最近の傾向として、フロントマスクに時間をかける会社が増えつつあります。トヨタの「キーンルック」というフロントマスクを筆頭に日産がVモーショングリルと言ってV字の形をしたフロントマスクにしています。また、ロアグリルでは、横線状で立体感を表しています。
ボディーサイズの全高を見てみますと、旧車よりも低くなっています。TNGAで走りを重視した関係で低くしたのではないかと思われます。
あとは、ベッドライトがLEDクリアランスランプで夜の視界を明るくします。
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安全性能
Toyota Safety Sense P
出典:You Tube 【LAND CRUISER】機能紹介/Toyota Safety Sense P 衝突回避支援パッケージ【技術】
ITS Connect
出典:You Tube 【クラウン】機能紹介 / ITS Connect【技術】
トヨタ新型カムリの安全性能です。Toyota Safety Sense Pを搭載しました。トヨタの中では一番安全性能が高いです。
クラウンクラスでは、ITS Connectを搭載しています。これは通信によって、車の位置を把握し先の情報を素早くキャッチするシステムです。まだ、GPSの設備や通信網が整っていませんので、先の搭載となるでしょうね。
トヨタ新型カムリの価格
価格 | 2WD |
ハイブリッド G ”レザーパッケージ” | 402万円→ 419万円~ |
ハイブリッド G | 342万円→349万円~ |
ハイブリッド X | 322万円→329万円~ |
新型フルモデルチェンジの価格表です。新エンジンや安全性能のToyota Safety Sense Pを搭載しましたので、7万円~17万円~くらい価格が上がっています。
北米仕様では、スポーツタイプ車があります。日本では未発表ですが、もし新型トヨタ・カムリの売り上げがよければ、スポーツタイプ車の追加があるようです。楽しみですね。
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ライバル車について
トヨタ・SAI
出典:トヨタ公式 SAI
トヨタ・SAIの価格は、330万円~433万円~。排気量は2.4L。THSⅡを搭載しています。
このSAIは、ちょっとライバルとしてはどうなのかなと思います。排気量も2.4Lと差がありませんし、なぜSAIを作ったのか、実はプリウスの上位クラスなんですね。しかも、レクサスHS250と姉妹車です。このHS250は、アメリカでの販売不振により販売終了し、その後名前をSAIとして日本専用の車となっています。生まれがレクサスで先祖がプリウスなんです。その差だけですね。
最新情報では、トヨタ・マークXとSAIがカムリに吸収されるという話が出ています。トヨタの車は似てる車が多いですね。カムリもそうですが、中型セダンとして3台もありますと、開発や生産ともなりますと、コストの面であまりよくないですね。しかも、今人気があって、売れているのはミニバンやSUV車です。セダンの人気が落ちているふしがあります。まだ詳しい話は来ていませんが、あり得る話ですね。
【新型トヨタマークX・G’s】フルモデルチェンジなしで販売終了?マイナーの燃費や評価は?
アテンザセダン
マツダ・アテンザの価格は、276万円~377万円~。2.0Lガソリン車と2.2Lのディーゼル車。スカイアクティブテクノロジーですね。マツダもトヨタのTNGA(Toyota New Global Architecture)ようなスカイアクティブテクノロジーという理念を作っています。こういった道しるべがありますと、車の開発も生産も明確になります。
マツダアテンザ新型(セダン/ワゴン)はディーゼルハイブリッド化?燃費や装備・評判は?
ホンダ アコードHYBRID
出典:ホンダ公式 アコード・ハイブリッド トランスミッション
ホンダ アコードHYBRIDの価格は、385万円~410万円~。とうとう、トランスミッションは、ボタンで変速時代へ突入ですね。名前はエレクトリックギアセレクターといいます。エンジンはSPORT HYBRID i-MMDです。排気量は2.0L。差があるとすればやはり外装ですね。デザインは平凡すぎるような気がします。
ホンダアコード新型ハイブリッドの日本フルモデルチェンジは?発売日や価格は?
トヨタ・カムリの評判
トヨタカムリ新型。グローバル基幹車種で正統派デザインするとここまでになる。造形も構成面の質感も高く、スタイルと居住空間を両立させている。リアデッキ長いのにこんなカッコ良く出来たの他に無いのでは。 pic.twitter.com/jp6iohM16s
— クリエ (@k_uriei) January 10, 2017
しかしトヨタはカムリもカローラも、相変わらず米国仕様の方が格好いいな。 pic.twitter.com/L3hJ5E8EL6
— kazzen (@kazzen) December 25, 2016
ああああカムリ集まりたいいいいい pic.twitter.com/NenovJAany
— たつやん (@tatsu___CAR) July 28, 2017
まとめ
新型トヨタ・カムリはいかがだったでしょうか。
2017年1月10日にデトロイドモーターショー(北米国際自動車ショー)でお披露目となった新型カムリです。今、わかってる情報のみと画像ですが、見た目とてもいい顔立ちをしています。価格も据え置きであれば、かなり売れるのではないかと思います。
ファミリーカー風でもあり、スポーティさを兼ね備えた感じの車です。今後、2017年の夏には日本仕様が販売されると言われています。さてどんな仕上がりで日本でデビューするのか?楽しみですね。