マツダ・キャロルは、スズキ・アルトからOEMを受けています。マツダ・キャロルの過去には、自社生産時代のときもありけっこう人気車でした。
では、マツダ・キャロルの特徴とアルトの違い、装備や内装・外装や価格・燃費や評価など今、わかっている情報を元にお話ししたいと思います。
マツダ・キャロルの歴史
初代 KPDA/NRA系(1962年-1970年)*自社生産時代
キャロル360(前期型)
キャロル360(後期型)
初代のマツダ・キャロルです。排気量は、直列4気筒の360cc。エンジンは、後ろに搭載されています。超軽自動車(車体が軽いという意味で)という名前がつきそうですね。エンジンも、イメージとして中型バイクの400ccくらいですね。実に、かわいいデザインです。セダンでこじんまりとしています。
記念特別仕様車でもいいですから、再版してすればいいですね。けっこう購入したい人がいるのではないでしょうか。
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2代目 AA系(1989年-1995年)*自社生産時代
AA6PA前期型 リア
AA6PA後期型
2代目のマツダ・キャロルです。初代から一新して、スズキ・アルトからプラットフォームを拝借。独自の内装や外装を展開し開発。排気量は、550cc→660ccへ変更。直列3気筒SOHCとターボ付もありました。3ドアハッチバッグ。トランスミッションは、3AT/4AT/5MT。駆動方式はFF/4WDです。
このころのキャロルもかわいいですね。丸っこいラインがとても素敵です。道で走っているこのキャロルをよくみたことがあります。
当時小型車を乗っていた私は、軽自動車ならマツダのキャロルがかわいくていいなと思いました。ものすごく、クルッとした印象のある車でしたね。
3代目 AC系(1995年-1998年)*自社生産時代です。
AC6P型
3代目のマツダ・キャロルです。直列3気筒SOHCのターボ付とトランスミッションは、3AT/5MT。駆動方式はFF/4WDです。
てこ入れなのか、男性にも乗ってもらえるようなデザインとなりました。当時と私の感覚としては、軽は女性が乗る車だと思っていました。3代目のモデルチェンジは、正直売れなかったと思います。特に女性ユーザーが離れていった可能性があります。なんとも、中途半端なデザインです。個性的はないというか先代のデザインがよかったのでとても残念ですね。
3代目は、わずか3年で販売が終わっています。ここで、マツダオリジナルのキャロルが終わります。
4代目 HB12S/22S/23S型(1998年-2004年)*スズキOEM時代
前期型(1998年10月 – 2000年12月)
後期型(2000年12月 – 2004年9月)
4代目のマツダ・キャロルです。マツダがコスト削減のために、スズキ・アルトからOEN車をすることになりました。直3 DOHC VVT(可変バルブ)。駆動方式は、FF/4WD。トランスミッションは、CVT/3AT/4AT/4MT/5MT。
実に無難な車となりました。マツダの主力車は、やはりデミオやCX-3や5などいわゆる乗用車ですね。さらにスカイアクティブという理念のもとにかっこいい車を作っています。それなのに、わざわざ、マツダで軽自動車を販売する意味があるのでしょうか。しかもスズキからOEM車ですからね。先代のかわいいデザインが懐かしいです。乗用車で培われてきた技術を、軽に活かせないものなのでしょうか。
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5代目 HB24S型(2004年-2009年)
後期型(2006年12月 – 2009年12月)
5代目のマツダ・キャロルです。自社生産時代のデザインを感じます。直3DOHCで駆動方式はFF・4WD。トランスミッションは、3AT/4AT/5MTです。
スズキ・アルトから見ますと、ちょっと違和感があります。アルトは、どちらかといいますと箱型に近いイメージがありますし、走りに特化したつくりに徹しています。ですから、5代目のようなデザインは、アルトらしくないです。逆にマツダ・キャロルらしくかわいらしいです。
6代目 HB25S/35S型(2009年 – 2015年)
6代目のマツダ・キャロルです。直3DOHCで駆動方式はFF・4WD。トランスミッションは、CVT/4AT/5MT(キャロルはFFのみ)です。
5代目のアルトのデザインが不人気だったのか、また元の箱型のデザインへすこし戻ったようですね。いくぶんか、全高が20-30mmほど高くなっています。
7代目 HB36S型(2015年 – )
GS
7代目のマツダ・キャロルですね。現行車です。直3 DOHCでCVT仕様は吸排気VVTがプラスされています。駆動方式は、FF/4WD。トランスミッションはCVT/5MTです。
大幅なデザインの変更です。目を見張るヘッドライトは、いかにも夜道でもしっかりと照らすぞという感じのものに仕上がってます。しかし、昔からのキャロルを知っている人は、どう思うでしょうか。ほぼスズキ・アルトからの提供なのでちょっと不満なデザインだと思いますね。
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新型マツダ・キャロルの特徴
エンジン
エンジン | M・キャロル | S・アルト |
パワートレイン | 直列 3気筒 DOHC 12バルブ + VVT | 直列 3気筒 DOHC 12バルブ + VVT |
最高出力 | 5MT: 36[49] /6500CVT: 38[52] /6500 | 5MT: 36[49] /65005AGS: 38[52] /6500CVT: 38[52] /6500 |
最大トルク | 5MT: 58[5.9] /4000CVT: 63[6.4] /4000 | 5MT: 58[5.9] /40005AGS: 63[6.4] /4000CVT: 63[6.4] /4000 |
トランスミッション | 5MT CVT | 5MT 5AGS CVT |
駆動方式 | 2WD 4WD | 2WD 4WD |
*最高出力(馬力・モーター用)単位:kw[PS]/rpm
*最大トルク(回転数モーター用)単位:N・m[kgf・m]/rpm
*DOHC(Double OverHead Camshaft):2本のカムシャフトとシリンダーヘッドで構成
*VVT:可変バルブ
燃費&実燃費
燃費 | 2WD | 4WD | 実燃費 (e燃費調べ) |
M・キャロル | 5MT: 27.2CVT: 37.0 | CVT: 33.2 | 5MT: 26.22CVT: 27.40 |
S・アルト | 5MT: 27.25AGS: 29.6CVT: 37.0 | 5MT: 25.25AGS: 27.4CVT: 33.2 | 5MT: 23.89- 24.935AGS: 21.64- 22.24CVT: 21.10-24.21 |
* 単位:JC08モード・km/L
現行車のエンジン表と燃費表ですね。カタログ表示では大体同じ数字です。トランスミッションで一か所だけアルトと違うものがあります。
5AGSですね。スズキ独自のセミオートトランスミッションです。さすがに、これはキャロルには搭載しなかったですね。スズキ・アルトがいくらOEM車とはいえすべての技術を提供するわけにもいかなかったと推測できます。きっとこの辺は、マツダとスズキの中でしっかりと契約書などで「ここまでは提供する」みたいな文書は交わされているのではないでしょうか。
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ボディ―サイズ
ボディ―サイズ | M・キャロル | スズキ・アルト |
全長 | 3395 | 3395 |
全幅 | 1475 | 1475 |
全高 | 1475 1500 | 1475 |
ホイールベース | 2460 | 2460 |
室内長 | 1985 | 1985 |
室内幅 | 1255 | 1255 |
室内高 | 1215 | 1215 |
重量 | 610- 700 | 610- 700 |
乗員 | 4 | 4 |
最小回転半径 | 4.2 4.6 | 4.2 |
*単位:mm/kg
ボディー色
フィズブルーパールメタリック
アーバンブラウンパールメタリック
ピュアレッド
シルキーシルバーメタリック
シフォンアイボリーメタリック
スペリアホワイト(GXを除く)
ピュアホワイトパール(GX専用色:21,600)
現行車のボディーサイズとボディー色です。ボディーサイズは、ほぼアルトと同じです。
ボディー色の一部に変更があります。アルトにはブルーイッシュブラックパール3というブラック系の色があります。キャロルにブラック系を入れててもよさそうなのですが、やはりキャロルという名前がネックなんでしょうか。かわいい名前からすると不要という判断でしょうか。シフォンアイボリーメタリックもギリギリセーフな感じです。
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装備
ショッピングフック(助手席シートバック)
コンソールドリンクホルダー(フロント×2)
センターロアポケット
ショッピングフック(インパネ・助手席側)*耐荷重1kg
ドアポケット(フロント×2)
現行車の内装ですね。実にシンプルですね。運手席での計器類はまとまってますし、CVTのレバーはインパネについています。運手時にセットすればあとはハンドルさえしっかりと握っていれば安全です。ディスプレイがすこし小さいです。文字が見にくいかと思いますね。音声ガイドなどで確認をしながらの運転ですね。
また、収納は運転席周りに設置されています。使い勝手のいいように手の届く範囲でいいですね。
現行車の外装です。ほぼ、スズキ・アルトと同じです。7代目のところにも書きましたが、やはり、往年のマツダ・キャロルではありませんね。
かわいさがなくなっています。まさしく走るキャロルですね。私としては、マツダの新しい技術で例えばスカイアクティブのような洗練されたキャロルを作ってほしいと思いますね。
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安全性能
レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)
現行車の安全性能です。レーダーブレーキサポートがおもな性能となります。バックミラー前のフロントガラスとの間にレーザーレーダー装置を取り付けます。それにより、前方車との車間距離を見ます。前方不注意からなる突然の衝突の回避をさけるためのブレーキがかかります。
この場合は、必ず足先がブレーキにのせている状態です。勝手にブレーキがかかることはありません。原則として歩行者や二輪車に反応しません。あくまでも前方車のみ反応します。ですから、レーダーブレーキサポートがあるとしても、安心しないようにしましょう。
新型マツダ・キャロルの価格
価格 | 2WD | 4WD |
GF | 84万円- | なし |
GL | 91万円- | 102万円- |
GS | 101万円- | 111万円- |
GX | 112万円- | なし |
現行車の価格表です。軽自動車の中では、かなり安い方ではないでしょうか。アルトの価格は84万円-124万円とすこしお高いですね。今では軽自動車もかるく150万円以上の値段がつく車があります。例えばホンダ・N-BOXがあります。
キャロルはN-BOXと比べますとかなり価格が安いので、セカンドカーくらいの位置づけとなります。また、免許取りたての人が乗る入門車にはいいかもしれませんね。
新型N-BOX(ホンダ)フルモデルチェンジの価格と燃費や評判は?販売台数は?
ライバル車
スズキ・アルト
出典 スズキ公式 アルト
スズキ・アルトがライバルですね。マツダ・キャロルのボディー色にはないブルーイッシュブラックパール3です。黒だと顔が引き締まりますね。でも、キャロルにはこの色は似あいませんね。
スズキアルト新型までの過去や歴史は?モデルチェンジで価格や内装や外装は?
マツダ・キャロルの評価
マツダキャロル(MT)納車されました。 pic.twitter.com/T4e93ODfE0
— ぎばちゃん@GE6➡hb36s (@pista152) August 18, 2017
高齢者だからレーダー始めとした安全装備がついた方が安心という事で、3月札幌に行った時に母の車をマツダキャロル(スズキ アルトのOEM)に更新して、今日初運転なんだけど、軽さが効いてて出足が超早くて面白い。オートマの動きが微妙だけど4WDで安定してるし、軽自動車の進化も凄いのね。
— Mr.AK (@AKKI_DTS) August 9, 2017
本物マツダキャロルと偽物マツダキャロルです。皆様はどちらが正しいでしょうか? pic.twitter.com/2tgPgC6YVd
— ナオユキ (@hwl8ohWP1jmsI7w) July 31, 2017
まとめ
新型マツダ・キャロルは、いかがだったでしょうか。
スズキ・アルトに隠れての目立たない感じも受けます。安くて速くて小回りの効く車をお探しなら、このキャロルがいいですね。トランスミッションもCVTとMTと2種類あります。お財布に優しい車だと言えますね。